新疆ウイグル自治区から香港に飛んだ。1ヶ月の中国ビザしか取っていなかったので、香港に来てビザをリセット(ビザに関しては国外のような扱いになっている)するためである。
カラカラに乾燥したウイグルから香港の空港に降り立ったときに感じた蒸し暑さは今でも忘れない。海の近さにまず身体が反応した。
香港では現地で働いている友人の家に5日間ほど滞在することになった。
タシュクルガンからカシュガルに戻って再び体調が悪くなり、香港では下痢を治すために一度胃腸を空っぽに!!と思って少しだけ断食するまでに至った(腹が減りすぎて1日半でやめた)。そしてわけのわからん路上の漢方茶なども味方につけながらなんとか胃腸をなだめることに成功したというのがその5日間のハイライトである。
加えて香港ではほとんど観光地化した漁村、大澳(Tai O)に行ったり、
銀色のミニマムサイズの高床式の家が密集している漁村
船から見たりなんかできる
テラスの大きさがかっこいいと思った家
さらに犬や猫を飼うスペースがないから普及したと思われる「熱帯魚飼育ブーム」の聖地、旺角(Mong Kok)の金魚街に行ったりした。日本の熱帯魚屋より安くて楽しい夜の街だった。
熱帯魚のこと水族って呼ぶっぽい(左は水槽に入れる偽物の草とか屋さん)
僕の好きな熱帯魚、コリドラスが「花鼠」という名で売られていた
会社帰りに熱帯魚探しに勤しむ中年の男
しかし今回は香港について最も印象に残っていることを書こうと思う。
それは僕の知らなかった、「香港の正体」である。
結論から言うと、香港の正体は「山」だった。
僕は香港に対して、イギリスに統治されていた場所で、都会で、高層の建物が密集し、夜の街はごちゃごちゃし...というイメージを抱いていた。東京の新宿みたいな感じかなあと。
たしかに多くの人は高層タワーに住んでいて、
圧巻であった
トラム(二階建て路線バス)から眺める街はイメージと大きく違わず、
百万ドルの夜景は見なかったがイギリス統治時代の遺産が残っていたりする。
しかし夜の道を歩いていると、なんだかすごい道が現れた。
ものすごい坂!
こういう急な坂がたくさんあるのである。
このときはまだ「坂すごい」くらいにしか考えていなかったのだが、
ある高台(寺)から街を見たときの写真がこれである。
高層ビル群の後ろに聳える山々「香港の正体」
新宿と同じなんかじゃなかった。手前の高層ビル群までは新宿と言っても良いが、奥にハッキリと香港の正体が現れている。
香港は山なのである。そんな山の中に、がんばって高層ビルを建てまくっているところに香港の面白さがあるのである。
ためしに香港島の航空写真を見てみる。
↑ちょっと引くと緑が増えてきた。島なので海ももちろん
↑香港等全体、島で、山だ。手つかずの部分が多い。
↑香港全体(黄色い線から上が中国の深圳)。半分以上緑で、手のつけられない土地になっているのであった。
このように前から僕の持っていた香港=都会というイメージは崩れさっていった。
また山でできているからこそ、こういう部分↓のデザインが課題でもあり、可能性を持っているのではないか。
宅地の間に垣間見える「山」の顔
そして専門家でないのでよくわかっていないが、海と山が生む風に対して高層ビル群がちゃんと対応できているかどうか怪しかった。つまりビル風・山風の調整である。
というのも香港では高層マンションに住んでいてもほとんど窓を開けず、空調によって空気を調節しているらしいと聞いたからである。
個人的には、香港が山である限り永遠に無視できないこういった問題を孕む住環境は、いつか限界がくる気がする...
以下は地上の風通しを確保するために何層分か抜いているビル。結構香港では見られるデザインで、これは変わってるなあと思った。しかしビルの中は別問題である。
次回から四川省編へ突入。
2008年四川大地震の被害にあった集落に行きました。
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