千年村運動体関東班では現在利根川流域の千年村を調べているのだが、その方法をインドの聖なる川、ガンジス川に適用する試みがもしかしたら結構いけるかもしれない。
このように上流・中流・下流と3ゾーンに分ける。
インド河川流域図に加筆したもの
河川は山から海へと注ぐ。
ガンジス川はヒマラヤ山脈から、ベンガル湾に注いでいる。
山から海へ下り、様々な条件が連続してあらわれる中でいくつかの集落を見ていこうとするものである。
さいわい歴史的都市で観光地化されているデリー、バラナシ、コルカタという拠点もつくれそうで、交通の便もよさそう。
上流部はデリーより北のウッタラカンドなどの山地の地震多発地帯。インディアンプレートとユーラシアプレートのぶつかるところ。
中流部はウッタル・プラデシュ州あたりでガンジス川とその支流のつくる肥沃な平野、洪水や干ばつが多い。ここには原広司研究室が以前調査していた場所もある。
下流部は西ベンガル州のあたりで、バングラデシュの隣。洪水やサイクロンの被害が多い。ムガル朝がこの地方を征服してから、このあたりの民家の造形(=バーングラ型という、湾曲した切妻屋根をもつ)をアーグラ城などに取り入れたという文化的交流も興味深い。
そしてデリーから南、ガンジス流域一帯はヒンドスタン平野という世界一広大な沖積平野なのであり、肥沃な土地で農業が行われ、世界で最も人口密度が高い地域である。
つまり、「災害は時々あるけれど食べ物たくさん作れて住みやすい場所」ということ。
日本の利根川流域も、地質的に恵まれているところが多く、関東平野という首都圏の大居住地帯をつくっている。
大河川によって交通は昔から盛んだったし、西ベンガルに見られるような文化的交流も容易だったと推測される。
さてそれではその中でどんな場所に住むか?どんな家を建てるか?災害とどう生きるか?それが、近代的な交通や観光によってどのように変形していっているのか?
というところを見るわけである。
中流部はgoogle earthで見た限りだと河川の旧河道などによって居住地が規定されているという、日本でもおなじみのパターンがありそうだった。汎世界的な方法なんだろうな。
というように、利根川調査の方法を適用して見ていければいいな、と、インドのことなど右も左も上も下も分からなかった僕でも2日間でそこまではたどり着いた。
そして9月にはゼミの先輩がインドに来るかもしれないので、二人で調査できるかもしれない。
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